発車オーライっ! 最終回

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大変長らくのご乗車、お疲れ様でした。



三陸鉄道1日車掌体験記、最終回はお土産ご紹介編でございます♪



1枚目の写真をご案内致します。

ホヤぼーやサブレー、かもめの玉子、ふかひれでございます。

昨年の日俳連チャリティーイベント以来、ホヤぼーやに愛着が湧いてしまい、見かけるとつい手が伸びてしまいます。
味わい深い表情のホヤぼーや♪

因みにサブレーはホヤ味ではありません。

でもね、ホヤは『海のパイナップル』とも言われているそうで、ちゃんとパイナップルが隠し味になっているそうですよ。



かもめの玉子、もちろん本物の卵ではありません。
『お家で開けたらヒナが生まれてたっ!』ってな事になったら、名前つけるの大変でしょ?

甘くて美味しい南三陸の銘菓です。
夏のオススメはブルーベリー♪



そして気仙沼名産、ふかひれ。
『酒用』と大きく書かれています。
ひれ酒と言えば『ふぐひれ』が一般的ですが、実は実はふかひれのひれ酒も大変美味。





美味っ!





ひれが肉厚な分、お酒を注ぎ足すだけで何杯もエキスたっぷりの『ふかひれ酒』が楽しめます。
お酒を召し上がらない方は、お吸い物などの出汁として使って頂いても重宝しますよ♪

少し焦げ目が付くくらい炙って、アツアツの熱燗に二つ三つ豪快にドボンと入れて下さい。



『フカヒレはやっぱり思いっきりかぶりつきたいわ♪』と仰る方には2枚目の写真。

なんたって気仙沼の特産品ですから、品数豊富、沢山あります。



いちご煮はウニとアワビのゴージャスなお吸い物。

青森の八戸とその周辺の三陸海岸の伝統料理だそうで、今回お邪魔した地域より少し北が本場になるのかな?

以前、大槌町に伺った帰り、勝平ちゃんが『これ美味しいよ、ワシ大好きダスっ!』って勧められて見事にハマりました。



3枚目は三陸鉄道さんから頂いたお土産、『さんてつサイダー』

グラスに描かれているのは『さんてつきょうだい』と『サンテツダー』です。
ブルーの瓶がとっても涼しげ♪



4枚目の写真も三陸鉄道さんからのプレゼント。



なんと本物の線路!



電車を走らせるには少々短めですが、鉄っちゃんには垂涎物のオブジェですな。


それと、超リアルな三鉄の鉄道模型。
モーターライズですからね、ちゃんと走ります。

おっきなジオラマ作って走らせながら、『次は〜、へいたぁ〜、へいたぁ〜。ひらたではございません!』なんて車掌気分をもう一度楽しむのもいいかもねー♪



最後の写真の修了証書、これ嬉しかったぁ〜♪

卒業証書以来、何年ぶりでしょうか…。



忘れられない思い出になりました。





夏休みの予定をご検討中の皆様、三陸の絶景と美味しい海の幸も候補としてエントリーしてみては如何でしょうか♪



最後になりましたが、ご協力頂いた三陸鉄道の皆さん、ご乗車下さったお客様、そしてブログを楽しみに読んで下さった皆様に心よりお礼申し上げます。





ホヤぼーやサブレー

http://www.city.kesennuma.lg.jp/www/contents/1208132962614/

かもめの玉子誕生秘話

http://www.saitoseika.co.jp/story/

ふかひれ酒用

http://www.ishiwatashoten.co.jp/fs/fukahire/c/fukahiresakeyou

いちご煮

http://www.ichigoni.com/fs/kakunoya/c/

三鉄オンラインショップ

http://sanrikutetsudou.shop-pro.jp/

三陸鉄道公式ホームページ

http://www.sanrikutetsudou.com/

いわて三鉄ガイド

http://www.niconico-egao.co.jp/sanriku/index.html

いちご煮って聞いて『え?イチゴの煮物?』って思った人、少なくないんじゃないかなぁ………





誰にも言わないから、チョット手、挙げてみ。




大丈夫、ナイショにしとくから、ホレ、手ぇ挙げてみっ!







ムフフ………素直に手を挙げましたな………





『ばっかじゃね…』
ぁオレもだ♪


Posted at 2015年06月29日 [月] 19:13 | カテゴリー:雑記 |

発車オーライっ! 3

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さて、緊張のアテンダントデビュー&車両点検を終え、折り返しの乗務まで暫し休憩♪




キンコンカンコ〜ン♪
三鉄の1日車掌に昼が来たっ!



釜石駅前には、車内アナウンスでもご紹介した橋上市場『サン・フィッシュ釜石』や物産センター『シープラザ釜石』があります。

橋上市場とは、釜石市内を流れる川に架かっていた橋の上に市場があって賑わっていたのですが、橋の老朽化に伴い駅前に移転してきたもので、現在は橋の上ではありませんが、市民に馴染み深い『橋上市場』という名称がそのまま受け継がれています。



で、お昼はどっちに行ったのかと………



今回は残念ながらどちらにも伺わず…。

市場とか物産センターとか、時間を忘れて見入っちゃうでしょ?
盛り上がってお土産いっぱい買いたくなっちゃうでしょ?

紙袋を山ほど抱えて車内アナウンス出来ないでしょ?



グッと堪えてお食事だけのお店へ。


『釜石ラーメン食べなさいよ、美味しいんだから♪』
タクシーの運転手さんがとっても親切で、何軒も訪ねてくれましたが、ランチタイムを過ぎていたので、どのお店も休憩中。

お腹を空かせた本人以上に残念がりながら、真新しいショッピングモールに案内してくれました。

釜石ラーメンではありませんが、これまた美味しい磯ラーメン♪



店内にはこんな案内サインが……
津波避難誘導の案内表示です。

震災の教訓から生まれた海沿いならではの防災対策ですね。





さぁ、1日車掌業務も残り半分。
盛駅まで乗務して終了です。

行き先表示と尾灯(テールランプ)の点灯確認をして乗車。



上り列車には団体さんのご利用も無く、日常的で長閑な三陸鉄道の車内。
アナウンスにもホンの少しだけ余裕が出来ました♪



ホンの少しね。



平田(へいた)駅では、釜石大観音と鉄の歴史館のご紹介。

吉浜駅では、地元吉浜ブランドの中華料理の高級食材『キッピンアワビ』。
本場中国や台湾にも輸出してるんですって。

ここだけの話、下りの釜石行きの時にあま噛み様が降臨して『キッチンアワビ』と言ってしまったので、慎重にアナウンス。


その他にも、唐丹(とうに)駅近くの鮭が遡上する片岸川や、大船渡市の天然記念物で樹齢数千年とも言われる三陸大王杉など、沢山の観光案内を交えながら列車は走ります。


途中、吉浜湾の見える絶景ポイントでは、列車が減速してビュータイムの粋なサービスも。

ホンの少し慣れたとは言え、僕はいっぱいいっぱいで景色を楽しむ余裕無しっ!


アタフタしながらも、あっという間の50分間でした。



めでたしめでたし♪





盛行きの乗務も無事に終え、司令室にて業務完了報告。



さぁここからが大変っ!
帰りのBRTまで20分強、しかも司令室と駅とは少々距離があります。
大急ぎで着替えてBRTにダッシュっ!!


慌ただしい中、お見送り下さった皆さん、ありがとうございました♪



走り出したバスの中から操車場に戻った列車を眺めていたら、一緒に乗務した運転士さんが一生懸命手を振って下さってました♪



……ぴょんぴょん跳ねながら。





………同年代なのに。





嬉しいじゃありませんか♪






観光案内モードから解放されて見る景色は格別です。
バスの車窓から見える夕暮れの三陸の海がとっても綺麗。

行きは見つけられなかった『奇跡の一本松』もしっかり焼き付けて参りました。




長らくのご乗車、ありがとうございました。



も少しつづく。





サン・フィッシュ釜石

http://sunfish-kamaishi.sakura.ne.jp/

シープラザ釜石

http://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/spot/detail/1191195_2452.html

釜石大観音

http://www.kamaishi-daikannon.com/index2.html

鉄の歴史館

http://www.city.kamaishi.iwate.jp/tanoshimu/spot/detail/1191193_2452.html

釜石ラーメン

http://kamaishi-kankou.sakura.ne.jp/ramen

三陸大王杉

http://www.tohokukanko.jp/iwate/18323/

奇跡の一本松

http://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/kategorie/fukkou/ipponmatu/ipponmatu.html



Posted at 2015年06月25日 [木] 23:07 | カテゴリー:雑記 |

発車オーライっ! 2

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気仙沼でBRTに乗り換え、約1時間20分。
一ノ関から3時間45分、東京駅からは6時間15分でようやく三陸鉄道南リアス線の始発駅、盛駅に到着。


心配した雨も盛(さかり)に着く頃にはすっかり上がり、どうにか原稿通り、景色を紹介するアナウンスが出来そうな様子。



ひと安心です♪



操車場のある運転司令室に案内され、ご挨拶して制服をお借りします。

ネームプレートには『車掌 平田』の文字が…か、感激ですっ!

それから乗務する列車の携帯時刻表と、反対の胸ポケットには首から下げたホイッスルが入っています。

小道具まで完璧に車掌さんのスタイルをさせて頂けるのは大変光栄なんですが、何せ僕の仕事は基本的に車内アナウンスのみ。
ホイッスルを吹く機会はありません。





2011年3月11日、司令室と車両基地のある盛にも腰の高さ位まで津波が押し寄せ、待機中の車両の動力部分が潮に浸かり、使用不能になってしまったそうです。


僕の後ろの車両が今回乗務する列車、震災後にデビューした新型車両です。
クウェート国から多大な支援を受けて導入されました。

運転席も最新設備、行き先表示や車内の温度管理など、タッチパネルでピッピッピ♪です。



この日は団体のお客さんがいらっしゃるという事で二両編成で運転。




えーっ!
団体さんが乗るのっ?
じぇじぇじぇっ!


何せほら、日帰りの突っ走りスケジュールですから、現地に着いたら大急ぎで打ち合わせして、チャチャッと着替えて、瞬く間に列車に案内され…、とにかく心の準備をする暇が無い。


しかも寝不足……♪



あ、そう……、団体さんが乗られるのね。


ビビる間もなくホームに入線します。





ところで今回の体験乗車、事前にお知らせ出来ずに申し訳ありませんでした。
車掌体験をぜひ皆さんにも見て頂きたかったのですが、現地までの交通事情や通常運行の列車を使用しての体験だった為、日常利用のお客さんにご迷惑が掛からない様にと、直前のお知らせに致しました。
ご理解頂けると幸いです。



さて、発車時刻には雲間から青空も顔を覗かせ、絶好の車掌体験日和に。

いよいよ三陸鉄道南リアス線、13時40分 盛発 釜石行き 普通列車 33.6キロ、9駅、約50分の旅の始まりでございます。



近頃は録音された車内アナウンスが主流ですが、それでも子供の頃から車掌さんのアナウンスは聞き慣れていた僕ですから、『まあ何とかなるんじゃないの?』なんて思っておりました。



が、聞くとやるとは大違い!


緊張するわ、口は渇くわ、足はふらつくわ、手元は揺れるわ、大変な騒ぎです。


列車が揺れるとやんわり噛んで、ブレーキが掛かるとほんわか噛んで……。

東京からいきなりやってきた素人車掌さんが噛みながら車内アナウンス。









あま噛み様は突然に…





終点、釜石に着く頃にはフニャフニャになっていました。



お客様が降りたら、ヘルメットを被って線路に降ります。
そこで車両点検。
メカ好きには堪りませんな。

連結部を間近に見たり、車体のお腹の部分を見学したり…。
三枚目の写真、36-702とありますが、36-700形の製造番号が2、つまり2番目に造られた車両という訳です。

因みに頭の36は三陸(サンリク)をもじって付けられた数字で、三陸鉄道の全ての車両が36-で始まります。


次の写真は車両のお腹にある心臓部、ディーゼルエンジンです。
6気筒の力持ちで最高時速95キロを叩き出します。
燃費はリッター2キロだそうで、燃料が高騰すると泣けてくるんだそうです。


そして僕が持っているのは、ホタテ貝の貝殻。
恋し浜駅の待合室に祈願成就の絵馬として、多くのお客様が願い事を書いて掛けて行きます。
恋愛のパワースポット恋し浜ですからね、やっぱり恋の願掛けが多いみたい♡

小石浜で養殖されている『恋し浜ホタテ』というブランド貝の貝殻ですよ。




ん?あれ、小石浜?

元々は小石浜駅だったのですが、平成21年7月に『恋し浜』に名称を変更したんだそうです。

全国に“恋”の付く駅ってこの恋し浜を含めて四つしか無いんですって。



さて今回はここまで。
もう少し三陸鉄道ブログにお付き合い頂くと致しましょうか。



どなた様もお乗り遅れのございません様に♪



つづく。


Posted at 2015年06月22日 [月] 17:02 | カテゴリー:雑記 |

発車オーライっ!

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6月18日、三陸鉄道南リアス線の1日車掌体験をして参りました。

三陸鉄道さんのご協力を頂いて、数ヶ月前から準備していましたが、日が迫るに連れドキドキばくばく。

前日は深夜になっても目がパッチリ!
まるで軒下にてるてる坊主をぶら下げて枕元にリュックを置いた小学生……、羊を数えてもウサギを数えてもちっとも眠れませんでした。



三陸鉄道さんからは余裕を持った前日入りのタイムテーブルをご提案頂いたのですが、スケジュールが合わず、日帰りの強行突っ走りプランでお願いしちゃったのがプレッシャーになって、
『寝なきゃ…寝なきゃ…』と思うほど目が冴えてしまい、夜中に時計を見ちゃあ
『じぇじぇじぇっ!』の連発でした。





始発の新幹線で一ノ関へ。

2011年の12月に真弓さんと勝平ちゃんと大槌町にお邪魔して以来の三陸です。

http://www.hiratahiroaki.com/blog/archives/1384

一ノ関からは、JR大船渡線。
電化されていない単線をディーゼル列車で、のんびりと約1時間半掛けて気仙沼に向かいます。

本来、大船渡線は三陸鉄道の起点、盛(さかり)までの路線ですが、震災の影響で三陸沿岸を走る気仙沼↔盛の復旧の目処が立たず不通のまま。
BRT(バス・ラピッド・トランジット、バス高速輸送システム)というバスが代わりに走っています。


車窓に映る向かいの列車の可愛いキャラクターの下に『ドラゴンレール』とありますが、これはBRT区間も含めた大船渡線の路線が竜の形に見えるからなんですって。

BRTは、元々線路だった所をバスが通れる様に舗装して走ったり、町中に来ると、かつて踏切だったであろう所から一般道に入って他の車と一緒に走ったりします。

タイトなスケジュールでのバス移動は道路事情や渋滞などの心配がありましたが、殆どの区間を専用道路を走るので時刻表通りの運行でした。



ドラゴンレールの由来から先にBRTのお話をしてしまいましたが、バスに乗る前、気仙沼駅前で久し振りにホヤぼーや君と再会♪

実は朝からパラパラ降っていた雨が、気仙沼に着いた時点で結構な土砂降り!





ここで大きな心配事がひとつ。


今回の一日体験車掌のお仕事は主に車内アナウンス。
『次は〜◯◯、次は〜◯◯、お出口は右側です。』っていう定番の放送の他に、各駅や土地の歴史や由来、名物などを簡単に紹介する観光案内もします。

因みにドアの開け閉めは運転士さんのお仕事。
切符や料金の回収も運転士さんのお仕事。

基本的にワンマン運転で車掌さんはアテンドに専念します。

三陸鉄道さんには女性のアテンダントが大勢いらして、観光客の多い列車に同乗し、名勝や特産品などをバスガイドさんみたいにアドリブを交えて流暢に解説されています。


今回、その原稿をお借りしてアナウンスさせて頂いたのですが、これがまた結構な分量。
50分弱の運行中、長〜いトンネルの中以外はほぼ喋ってます。

それでも本来のアナウンスより少なめにして頂き、当然アドリブも無し。

駅を出たらすぐご乗車頂いたお客様にお礼と列車の行き先、到着時刻の案内。

次の停車駅と観光案内。

駅が近くなったら到着と降り口の案内。

発着時のホームの安全確認をして、すぐ次の停車駅と観光案内……。


この慌ただしさの中で、ぶっつけ本番の1日車掌にアドリブをぶち込む余裕なんてある訳がない。

ただひたすらにキッカケの地点を通過したら本物の車掌さんに合図を頂き、原稿を読むのが精一杯な訳です。



乗車三時間前の気仙沼は土砂降り……


このまま雨が続くと、『ただ今進行方向右側前方、山の頂上に釜石大観音様が見えて参り…………見えて…………見え…………じぇじぇじぇっ!』
てな事になりかねません。

もちろん観音様以外にも景色を解説するコメントが沢山あります。


これ以上雨足が強くなったらどうしましょ…



いま出来る事は……



取り敢えずホヤぼーやと写真撮りましょ♪


不安を抱えたまま、それでも初めて乗る列車やバスにやっぱりウキウキしてしまうのでありました。



写真がいっぱいになってしまったので、続きは次のブログにしましょう。




次は〜三陸鉄道の写真〜、三陸鉄道の写真で〜す。



つづく。


Posted at 2015年06月22日 [月] 0:10 | カテゴリー:雑記 |

【咸陽宮】こぼれ話

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和の会主催
朗読能シアター【咸陽宮】


お陰様で無事に千龝楽を迎えました。

毎年少ない公演にも関わらず、今年も大勢のお客様にご来場頂き、ありがとうございました。



年に一度体感する、ここでしか味わえない独特の緊張感。
演者がみな口を揃えて言いますが、他の舞台やイベントには無いプレッシャーにスッポリと覆い被さられる舞台です。

お尻の痛い地味ぃ〜な消耗戦って感じ。



でもきっと大輔くんや河合くんはもう朗読の疲れなんてとっくに抜けてるんでしょうねぇ……。



今回の【咸陽宮】の特徴としては、まず読み手が増えた事でしょうか。
舞台の上が随分賑やかになりました。

そして三浦元則さんの篳篥(ひちりき)と楽箏(がくそう)が加わり、お馴染み中田さんの笙や楽琵琶と共に咸陽宮を盛り立ててくれました。

楽器や演じるキャラクターが増え、より立体的に朗読の世界をお届け出来たのかなと思います。


皆勤の甲斐田さん、常連の大輔くん、初朗読劇の河合くんと初参加ながら燻し銀の遊佐くん。
皆さん忙しく、全員揃って稽古する時間があまりありませんでしたが、各々が其々の咸陽宮をしっかり構築し、舞台上でドラマチックな会話と音楽のセッションを楽しむ事が出来ました。





さて、朗読能シアターと言えば忘れてはならないのがアフタートークショー。

本業の朗読は勿論ですが、このアフタートークも演者に厄介なプレッシャーを掛けてくれます。

稽古無しのぶっつけですからね。

複数回ご覧になるお客様もいらっしゃるから、その都度新鮮なネタをご提供すべく、献立と格闘するのであります。


気分はもう板前さん。



ご来場下さったお客様で、他の公演の聞けなかった話や、そもそもどのステージにも上がらなかったボツネタもありますので、高橋郁子さんの演出ノートもお借りして、思い付くままチョット書いてみましょうか。


まず始めに言わなくてはならないのは、今回の朗読、お能では休憩後のお話だけ。
始皇帝暗殺未遂の場面です。

冒頭は、始皇帝と臣下が掛け合うお城自慢から始まり(渡り鳥が俺んちの城を避けて飛ぶとか、三里の盛り土の上に建てたんだぜとか、ピカピカに磨かれた何たらとか、あの辺のお話でしょう、きっと)、それから荊軻と秦舞陽の登場になるそうです。



だから僕の演じた燕の太子、丹の登場は無し。
お能では最後の最後、地謡の方に『その後、燕、丹太子をも程なく滅ぼし…』とチョロっと謡われるだけだそうです。



……程なく。



………ほどなく。



…………この片手間感。



『燕を滅ぼしたよっ!ぁそうそう、ついでに丹もね♪って感じですね。』(遊佐浩二談)


ですので、体感する能【咸陽宮】をご覧になる方はエンディングの『チョロっと』に備えてお耳をかっぽじっておいて下さいませ。



耳ね。



朗読能シアターでは雅楽の演奏が当たり前になりましたが、そもそもお能と雅楽は両極、相容れない存在なんだそうです。
公家の文化と武家の文化、中田さんの言葉を借りると『水泳とラグビー』くらい違うそうです。
後にご本人から『フィギュアとマラソンくらい』と訂正されました。



………なるほどね。



物凄く違うって事ですね。


そもそも中国のお話に日本の楽器で演奏する事に違和感がないのか、中田さんに伺ったところ、雅楽の楽器は元々中国やアジアの方から伝わった物だからダイジョーブとのお話、納得です。



始皇帝危機一髪の暗殺(未遂)の場面。
先日の朗読では、華陽夫人が目配せや琴の音色で必死に始皇帝とコンタクトを取っていましたが、何とお能では普通に言葉で伝えているんですって!

『後ろを見て!』

『屏風があるでしょ!』

『私が琴で変な音を出すから!』

『隙を見て屏風を飛び越えてお逃げなさい!』

『いくわよっ、せえのっ!』



聞こえないフリをする荊軻たちも大変でしょうねぇ〜。

※この華陽夫人の台詞は飽くまで僕の創作ですので実際のお能とは異なります。


相当ね。



お能というと、すり足で歩きながら優雅に厳かに舞うイメージですが、【咸陽宮】では実際に剣が飛ぶシーンがあるそうですよ。

意外にアクティブなんですね、お能って。

他にも、実際に弓を射る演目もあるそうです。





さて、6月27日(土)に上演される、体感する能【咸陽宮】ですが、朗読能でスクリーンに投影されたホンマアキコさんの扇絵の原画やメインビジュアルである福井利佐さんの切り絵の展示、パンフレットで甲斐田さんがご紹介した能面や能装束を試着出来る体験など、楽しい企画がいっぱい!

そしてやはり、我らが河合龍之介くんによるナビゲーションも楽しみです。

秦舞陽はヘタレて階段に座り込んでしまいましたが、27日は堂々たるナビゲーションを期待しておりますぞ!



少々長くなりましたが、今回の朗読能も共演者、スタッフに恵まれ、そして何より楽しみにいらしたお客様の温かい拍手に包まれながら千龝楽を迎えられた事、心よりお礼申し上げます。


演者と観客が向かい合い、互いの創造力と想像力を刺激し合いながら一緒に物語を辿ってゆく朗読劇。

演者の小さな動き一つが、観客の息を呑む微かな気配が、台詞に合わせる演奏の揺らぎや照明の変化が、作品を創り上げてゆきます。


この朗読能がどうぞ皆様のお心に留まります様、そして日本の伝統芸能である “能” に触れる機会の一つになれれば、『お尻が痛い痛い』と言っていた出演者一同、この上ない喜びでございます。


Posted at 2015年05月28日 [木] 19:25 | カテゴリー:雑記 |